Wednesday, September 26

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.6



sol




6〜7年前の話。
当時中古盤市場で流行しておりました
FREE SOULブームも終焉を迎え、
新たな流行としてBRAZILが蔓延しておりました。

やれLA FETA。
やれEso Beso。
やれミファソラミレ双子姉妹。

クソのようなレコードが
今では考えられないような値段で売り捌かれた時代であります。
最近におきましてはFUNK45もそれと似た傾向にある気も致します。
曲のクオリティとして廃ることはないでしょうが、
ブームというものは脅威でござます。
ですが、ええ、いいのです。
買いたければ買えば良いのです。
心行くまで買えば良いのです。
欲しけりゃ倍額出して買えばいいのです。
他人の目など気にしてはなりません。
店員に鼻で笑われてナンボでございます。
貧乏人は買わなければ良いのです。
墓場に金は持ってはいけません。

それにおきましても、
レコード屋大繁盛時代でありました。
どれだけの人間がレコード屋に騙され
破滅に追いやられたことでしょう。

当然、私もその一人でございます。
日本代表のピッチで
「君が代」を歌えるレベルであったかと思われます。

そんな私でしたので、
当時人気を博したレコードは
ほぼ手中に収めておりましたが
(今は数枚を残し、全て売り払いました。ゴミでございます。)
その中で一番WANTであり、
手に入らなかったレコード、
それが今回の「SOL」でございます。

兎にも角にも所有者皆無。
相場不明。
情報不足。
私は欲しい欲求を押さえ込み、
悶々とした日々を送っていたわけであります。

そんな中、
大阪【ESPECIAL RECORD】から
年末恒例の放出の知らせが葉書で届いたわけであります。
その葉書には放出の目玉商品とされる商品が
掲載されるわけでありますが、
その中に、ええ。
ありました。
そうです。
SOLが掲載されていたのでございます。
行かない手はございません。

このSOL。
当時22歳の判断としまして、
流行り廃りで左右されることのない
確かな一枚であると勝手に思い込みを致しました。
この数年先、
私がDJをしていたとして、
その時におきましても
胸を張ってかけられる一枚だと。

投資でございます。
先見の明でございます。

会社に風邪の仮病を使い、
友人三名を車に乗せ、
値段がわからないため財布に20万。
伊東美咲は財布に30万。
いざ来阪でございます。

若さ故の気合いがありましたのと、
生来の心配性もありまして、
放出日前日の朝に到着という大フライング。
当然、誰も並んでなどおりません。
居たら殴ってどかすとこでございます。

一安心したところ、神戸まで行きレコード探索。
ゴミしか釣れず。

夕方に大阪に戻り、
レコード探索。一通り抜いてから戻り、
並んでおりますと、
チラホラと大阪のDJ達も並びはじめるではありませんか。
初めの頃は私もナイフのように尖って
威嚇をしていたわけでありますが、
そこは同じレコード狂。
すぐに打ち解け、大阪のクラブに夜遊びに。
もちろん、行列一番手確保のお墨付きであります。
譲れません。買うまでは。
この時点でSOLの値段が判明。楽勝モード。

酔い潰れるまで飲んで、
飲ませ、気付きましたら開店。
花びら大開店。

無事にSOLを確保。
60,000円。

気分を良くしてオマケにもう一枚。
60,000円。
計120,000円。

唾吐いて、アバヨ大阪。
グッバイ大阪。

SOLにおきましては、
今はこれ以上の値段をつけているところもあるようなので、
無謀な投資というわけではないようであります。

22歳のマスターでありました。

補足と致しまして、
このSOLが、
私、マスターと
オーガナイザー/DJ・城内宏信の出会いに
少なからずとも影響しておりますことも、
ここに、ご報告させて頂きます。

では失敬。

No comments: