Sunday, September 30

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.10



HANK BALLARD_YOU CAN'T KEEP A GOOD MAN DOWN


















前回の続きでJB絡みなんですが。今回はこれ。

「HANK BALLARD/YOU CAN'T KEEP A GOOD MAN DOWN」

兎にも角にも、1998年〜1999年。
当時、二十歳未満の頃は
FUNK!FUNK!FUNK!
交尾!交尾!交尾!と
気をはいていたわけでありまして、
KINGと印が打たれているものは買わなければならないと、
義務にも似た感覚であったわけであります。

そんな頃、MANHATTAN RECORDSにおいて
中古盤の放出があるとの情報。
(その頃、二階でFUNK SOULの貴重盤を取り扱っていました。)

取り立てて欲しいと思うレコードが
あったわけではないのでありますが、
勉強の意味合いも込めまして、
覗きにでもと思った次第であります。

店内に入りますと、壁には高価なレア盤がズラリ。
著名なDJ方もチラホラ。
若輩者の私は遠めにレア盤を眺めておりました。

その中で一際目立つ、
そのブルーなジャケット。ラベルはKING。
ジャケは当時の好みとしては最高ランク。
黒人最高。その頃は加藤あい最高。

「ヤベッ。超カッケー。」と思わず、声出る始末。

当時、何故かジャケが良いものに間違いなし、と、
きめこんでおりまして、
そこにJB絡みのお墨付き。

値段は19800円。
ウーン。ま、範囲内。
じゃあ、試聴。

「・・・。」
全然、良くない...。

かろうじて一曲が使える程度であります。
しかし、このようなネタに使われたり、
KINGのブランドも付いているレコードというものは、
「聞く」というよりは
「持っておけ」的な意味合いの方が強いと
当時から思っていたわけでありまして・・・。

レジへ。あーあ・・。
DJで使ったことありません。

待て、次回。

Saturday, September 29

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.9



KWARTET FRITS KAATEE HONKY TONK POPCORN



















今回はこれ。
「BILL DOGGET/HONKY TONK POPCORN」

当時、まだタバコもやれない、
酒も飲めない19歳未成年レコード店アルバイターであった頃。
まだ、レコードの知識もノミの心臓以下であった私は
同じレコード店にて働く先輩方に
毎日のように良質な音楽を教わってはメモをとり、
休日には教わったリストを手に、
レコード屋を徘徊しておりました。

若い頃は自分が何が好きなのかが分からないため
ガムシャラにあらゆるジャンルを聞き、
耳を鍛えたわけでありますが、
ある程度の期間を過ぎますと、
自分の好みが分かってまいりました。

19歳、当時の自分が求めたもの。
それはFUNKでございました。
当然、今のようなコアなドーナツ盤をDIGするようなものではなく、
ネタに使われた定番物が主な購入品となったわけであります。

やはりFUNKとなりますとJBとなるのが世の常。
そこからのスタートになるわけで、
そこから掘り下げていったわけであります。

そうこうしてJBファミリーのソロなどを買っていましたら、
今回のレコードにブチ当たったわけであります。
レコード店の先輩が既に所有していたため、
内容の良さ、ジャケットの良さから随分と欲しかったわけですが、
あまり見かけることが出来ない一枚で諦めていたところに、
今は亡きULTRA RECORDSに壁掛けてあるのを発見したのであります。

28000JPY
タケー。

当時、時給730円のレコード店アルバイターには
あまりにも高いハードル。
しかも、その頃から俗に言うお洒落系などにも手を出し始めておりまして、
FACE RECORDSで念願のPEDDLERSを8000円で見つけたばかりでありました。
(今、考えればスゴい値段。当時は普通。)

どちらにすべきか?
悩んだ挙げ句、
先輩の判断に委ねることにいたしました。

すると
「マスターの最近の反応をみると、PEDDLERSなんじゃない?値段も範囲内だし」とのお言葉。

PEDLLER
















納得。
先輩の言葉にあやかりPEDDLERS購入。

帰路につこうと思った瞬間。悪魔が囁く。

「どっちも買えよ。」

銀行へ。
ULTRAへ。
そして、レコード地獄へ。

この旅は未だに続いておるわけです。

失敬。

Friday, September 28

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.8



もういくつ寝ると夏が始まるわけであります。

夏といえば野外フェスであります。
先日のDUG OUTでも、
フジロックの話などが話題にあがったりしたわけであります。

と、言いましても価値観の問題になりますが、
DJなどをやっていますと、
レコード一枚に5万が払えましても
真夏の数日の為にウン万円のチケットを払うのは、
どうしても気が引けてしまうわけでありまして、
今年も私は行くことはないわけであります。

そんな私も、過去に二回程、フジロックに参加した経験がございます。
伝説の一回目と苗場で初となった三回目であります。

一回目は天神山スキー場で台風直撃。
よく死者が出なかったと思えたほどであります。
だがね、これがフェスよ。死○出てナンボよ。
台風の影響というよりは、
THE YELLOW MONKYSの場違い感に凍死だよ。

それはいい。

なんかの伝記で読んでくれ。
フジロック十年史みたいのをよ。

違うんだよ。
オレが言いたいのは三回目なんだよ。

オレは当時、金もねー、
女もいねー、暇さえあれば江ノ島にサマーベッド持って、
特注オイル塗りたくって、
江ノ島一のガングロ目指した20歳。

オレが孫悟空なら元気玉ブッ発なして
本州沈めようと思ってたあの頃。
それほどの器量を持って望んだフジロックIN苗場。

ピースなんだよ。
みんなが楽しんでんだよ。
外見ヤバメの兄ちゃんもピースなんだよ。
透き通るような空の青の下でさ、
音楽という共通項の中で一つになってんだよ。

あきれたよ。
愛想が尽きたよ、フジロック。

フェスってのはさぁ、戦争なんだよ。
もっと殺伐としてなきゃいけないんだよ。
殺るか、殺られるかのサバイバルじゃなきゃいけないんだよ。

それがどうだい、この有様は。
隣にいる女もやけに可愛いし、
フレンドリーじゃねーか。

「どこから来たんですか?」

なんて、江ノ島なら逆ナンですよ、ホント。
オラ、孫悟空だから性別わからないんで
パンパンってしちゃうぞー、
てな感じですよ。

だけどさ、オレは見ず知らずの輩に
個人情報垂れ流しするほど野暮じゃないんだよ。
母国も信じられない、このご時世でさ。
住んでる場所なんて間違っても教えられないよ。
そんなことしたら毎日ビクビクで
背後が気になって夜道を一人で歩けないよ。

そんななので、
フジロックで出会って結婚しましたなんていうのも
実際ある勢いですよ。

挙げ句の果てには、ゴミ一つ落ちてない。
天神山の時はゴミ山脈になってたのによ。
喫煙者なんか携帯灰皿を首から下げて、
ショコタンばりに「大人のマナー」ですよ。
オイオイ。タバコはポイ捨てだろ。ポイ捨てに限る。

で、なんか、また、お洒落に見えてくるのよ、
そういうの。あるじゃない、
そういう期間内だけに機能するお洒落って。
10周年だから「10」のTシャツみたいなさ。

なぜ、こんな話か?
いや、たまたま、このレコード。

「KWARTET FRITS KAATEE/WILL YOU STILL BE MINE」

が、今年のフジロックの
三日間通し券と同じ値段くらいだったなぁ、
と思っただけなのです。
売ればいけるな、フジロック。

だがよ。レコードに金を払えても、
思い出に金は払えない性分なんだよ。
形のあるものじゃなきゃ不安なんだよ。

愛ってお金で買えますか?
待て次回。

Thursday, September 27

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.7



101



先日のDUG OUT当日の話。

私はDJをする当日にレコード屋に行かないと
気が済まない性分でして、
また、そこで一枚でも買って、
当日のDJにてプレイする楽しさを味わっております。

この日もおおよそ集合時間にフライング気味に
電車に乗り込んだわけであります。
ガランと空いた小田急線に揺られ、
しばらくして時計を見てみますと、
集合時間までには一時間以上の余裕がありましたので、
私の思惑通り、今日もレコード探索であります。

いつもでありますと、
渋谷・新宿・神保町のいずれかに足を運ぶわけでありますが、
この日は普段足を運ばない場所へでもと思い、
完全アウェー下北沢にて途中下車をしたわけであります。

下北沢。

私のイメージは小さい上野。
臭い。魚屋。

ろくなイメージがございません。

ゆっくりする時間もなかったわけでありまして、
老舗「良質音響」へと思い、
小走りに進んでいく間に気付きました。

「そうだ。閉店したんだよ。」

気付くの遅い。
と、行く宛がないままに歩いておりますと、
右前方方向ににレコード屋を発見致しました。
見るところ狭い店内に人影もなく、
カウンターには店主が一名。
遠めに飾られているレコードを拝見するも、
触手が動くようよなブツもなかったわけですが、
差し迫る時間との戦いがございますので、
取り急ぎという形で、
この店にゆっくり腰を据え
軽く数枚程を買おうと思ったわけであります。

店内を端から順に探索するも、
めぼしいブツが見当たらないため、
照準を7inchに切り替えたはいいのですが、
知識が不十分な為に
試聴をしたい思いにかられたわけであります。
が、試聴器がレジ前な為、思うような行動がとれず、
悶々としていたところに、
店主がなにやらとBGM用にLPを取出し、
ターンテーブルに針を落としたのでございます。

そこで流れたBGMは、最近、私が買い集めている
小刻みなカッティングギターが心地よい、
年代的によるものなのか、
どこかDISCOの雰囲気をもったSOULでありました。
私は店内のBGMに耳を傾けながらも、
さらにとレコード探索を続けました。


流れているBGMが2曲、3曲と進むのを聞いていますと、
とても素晴らしい内容であったため、
私は探索を止め、店主に声をかけたのでございます。

オレ「これ、とても良いですね。もし良かったら売ってもらえないですか?」

店主「いやぁ・・。まだ値段つけてないんだよね・・。」

値段をつけてない。

ここからは勝手な想像となるわけでございますが、
この店。
あきらかにバイトを雇う程の売れ行きは見込めない様子であるのは、
誰しもが納得するところである故、
どう考えても値段をつけるのは、
そこの、お前。そう、あなた。店主のあなた。
いやね、こうやってブラリと寄った客に手土産の一枚くらいと思って、
その場で値段つけて売ってくれたっていいんじゃねーのか。

いや、いいんだよ。

別にね、この風体がね、気に食わないだとかね、それで売りたくない。
わかるよ、わかる。
アンタんとこみたいに常連さんには蔵出しみたいな、
「まだ誰も知らないよ。」ってな感じでさ。
これぞ粋だぜ、みたいな感じて商売するのが、アンタの商売の仕方で、
いい旅、夢気分でブラリ寄った輩に売りたくないのはわかるよ。
だけどさ、こうして始まる繋がりっての大事じゃないか。
目と目があったらミラクルって牧瀬里穂も言ってたじゃないか。

少し面食らってしまいましたが、私は続けました。

オレ「じゃあ、しばらくしたら店に出しますか?」

店主「・・まだ、決めてないんだよね・・。」

オイオイ。

今、決めろ。即刻決めろ。

いやぁ、あきらめるよ。あきらめる。
オレが悪いんだよ。初対面の相手に気やすく話し掛けたオレが悪かった。
これじゃ、夏になると大量発生する江ノ島ギャル男と一緒じゃんか。
ビーチでビッチを端から端まで声かけまくるギャル男とだよ。
そうそう。オレはナンパ失敗したんだよ。
レコード屋店主をさ。いやぁ、オレも今年で29歳なんだからさ。
しっかりしなきゃね。やっぱさ、初対面の人間にお近付きになるにはさ、

「mixiやってますか?」

これでしょ。これっきゃない。これが21世紀の、
このご時世のご挨拶でしょ。これに尽きる。で、

「マイミク送っときますよ。」

これ。そりゃ、レコードの為にはさ、なんでもするさ。
下から下から。ドッコイソリャー。
ドッコイ、ドッコイ。
担いで担ぎまくるよ。これで強固なガードも簡単に崩せるわけさ。
店主も御輿に昇ってピースサインで、記念撮影さ。マイミクだからさ。
もう、十年来の友人と同等さ。これで万事解決。モウマンタイ。

それからはコミュニティ作っときますよ。とかいってさ。
上手いことやりゃー良かったんだよ。
トピック立てちゃいましたよ。なんつってさ。
いやぁ、不器用だよ。高倉健とほぼ同等だよ。
下手したら喰われるよ。

でも、もう遅いんだよ。知ってるかい?
恋ってのはさ、作り上げるものじゃないんだよ。

「恋はその瞬間に、その場にあるものなんだよ。始めからあるものなんだよ。」

もう一回言っとく。

「恋はその瞬間に、その場にあるものなんだよ。始めからあるものなんだよ。」

そうさ、オレと店主との恋愛は見事に叶わなかったわけさ。
オレの全部嘘さ、恋じゃないさ、梅雨の恋はまやかしさ。
リゾラバ気分のオレに喝だったのさ。


だがね、こういう展開でこそオレは燃える奴ったはずだ・・。。

オレの名前を言ってみろ・・。オレは誰なんだよ・・。
オレの名前は三上さとし・・。

そう、あきらめの悪い男・・。

オレ「すいませんが、ジャケットだけでも見せてもらえませんかね?」
店主「・・はぁ・・。ハイ・・。」

「SPECIAL DELIVERY/S.T」

心の声
(テリーハフのあれかぁ...。見つかりそうだな...。てか、これレアでもなんでもねーだろ。)

数秒でレーベルなど主要部分を暗記し、直ぐ様撤収。
若かりし頃ならば、店前で放尿、脱糞、致すとこではございますが、
そこは28歳。
大人の貫禄でございます。

次の日、会社のPCで検索。
私、PC持っておりません。あまりにも腹が立ったので、
早いトコ見つけてしまおうと思ったわけでございます。

で、ありました。

代々木のCOCONUTS DISCに。
電話をして、取り置きしてもらい、
次の日、無事に購入。(とても親切な対応に感謝。)
2000円。

2000円で取り置きって。
どうかしてるぜ、最近YO。

レア盤じゃねーのに、売らない下北沢「**** ********」
どうかしてるYO。二度と行きません。

待て、次回。

Wednesday, September 26

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.6



sol




6〜7年前の話。
当時中古盤市場で流行しておりました
FREE SOULブームも終焉を迎え、
新たな流行としてBRAZILが蔓延しておりました。

やれLA FETA。
やれEso Beso。
やれミファソラミレ双子姉妹。

クソのようなレコードが
今では考えられないような値段で売り捌かれた時代であります。
最近におきましてはFUNK45もそれと似た傾向にある気も致します。
曲のクオリティとして廃ることはないでしょうが、
ブームというものは脅威でござます。
ですが、ええ、いいのです。
買いたければ買えば良いのです。
心行くまで買えば良いのです。
欲しけりゃ倍額出して買えばいいのです。
他人の目など気にしてはなりません。
店員に鼻で笑われてナンボでございます。
貧乏人は買わなければ良いのです。
墓場に金は持ってはいけません。

それにおきましても、
レコード屋大繁盛時代でありました。
どれだけの人間がレコード屋に騙され
破滅に追いやられたことでしょう。

当然、私もその一人でございます。
日本代表のピッチで
「君が代」を歌えるレベルであったかと思われます。

そんな私でしたので、
当時人気を博したレコードは
ほぼ手中に収めておりましたが
(今は数枚を残し、全て売り払いました。ゴミでございます。)
その中で一番WANTであり、
手に入らなかったレコード、
それが今回の「SOL」でございます。

兎にも角にも所有者皆無。
相場不明。
情報不足。
私は欲しい欲求を押さえ込み、
悶々とした日々を送っていたわけであります。

そんな中、
大阪【ESPECIAL RECORD】から
年末恒例の放出の知らせが葉書で届いたわけであります。
その葉書には放出の目玉商品とされる商品が
掲載されるわけでありますが、
その中に、ええ。
ありました。
そうです。
SOLが掲載されていたのでございます。
行かない手はございません。

このSOL。
当時22歳の判断としまして、
流行り廃りで左右されることのない
確かな一枚であると勝手に思い込みを致しました。
この数年先、
私がDJをしていたとして、
その時におきましても
胸を張ってかけられる一枚だと。

投資でございます。
先見の明でございます。

会社に風邪の仮病を使い、
友人三名を車に乗せ、
値段がわからないため財布に20万。
伊東美咲は財布に30万。
いざ来阪でございます。

若さ故の気合いがありましたのと、
生来の心配性もありまして、
放出日前日の朝に到着という大フライング。
当然、誰も並んでなどおりません。
居たら殴ってどかすとこでございます。

一安心したところ、神戸まで行きレコード探索。
ゴミしか釣れず。

夕方に大阪に戻り、
レコード探索。一通り抜いてから戻り、
並んでおりますと、
チラホラと大阪のDJ達も並びはじめるではありませんか。
初めの頃は私もナイフのように尖って
威嚇をしていたわけでありますが、
そこは同じレコード狂。
すぐに打ち解け、大阪のクラブに夜遊びに。
もちろん、行列一番手確保のお墨付きであります。
譲れません。買うまでは。
この時点でSOLの値段が判明。楽勝モード。

酔い潰れるまで飲んで、
飲ませ、気付きましたら開店。
花びら大開店。

無事にSOLを確保。
60,000円。

気分を良くしてオマケにもう一枚。
60,000円。
計120,000円。

唾吐いて、アバヨ大阪。
グッバイ大阪。

SOLにおきましては、
今はこれ以上の値段をつけているところもあるようなので、
無謀な投資というわけではないようであります。

22歳のマスターでありました。

補足と致しまして、
このSOLが、
私、マスターと
オーガナイザー/DJ・城内宏信の出会いに
少なからずとも影響しておりますことも、
ここに、ご報告させて頂きます。

では失敬。

Tuesday, September 25

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.5



master4




今回はこれ。
MILAN PILAR/CATCH UP 2 BIRTH OF SECOND LIFE

携帯の電話帳を見ても、
顔と名前が一致しないなんてことがあろうかと思いますが、
似たように、レコードにおきましても
「ジャケは知ってるが、内容は知らない。」
または、その逆のケースなんてことも多々あるわけです。

このレコードもそんな中の一枚かもしれません。

当初このレコードを猛烈に欲しがっていた人間がおりまして、
先日、遂に夢叶い、彼の手元に届いたわけであります。
彼はこのレコードをDJをする際の十八番としてプレイし、
一人陶酔?というか泥酔するわけでありますが、
それを見ていましたら何だか胸クソが悪くなりまして、
はやいとこ買ってしまおうと思った次第であります。

ですが、彼が手に入れるまでには長い月日が経っているわけでありまして、
私もそれなりの月日は覚悟しておりました。

渋谷界隈のレコ屋を徘徊して
ウッカリ壁に飾ってあるようなレコードではないので
苦労するかなと思っておりましたが、
余程に日頃の行いが良いのでしょう。

レコードの神があっさりと私の手元に届けてくれたのであります。
WANTしたら一瞬でありました。

購入したことを彼に内緒にしておき、
先日のDUG OUTでもかけさせて頂いたところ好評でありまして、
つい最近に彼がDJでかける前に、
私がかけてお披露目したところ、
激怒を通り越しかなりのショックを与えれたようでありまして、
私としては大変に満足であったわけです。
人のネタで踊らせる。これほどDJとして最低な行為はございません。
そう、私は最低なのです。

「だから嫌なんだよ・・。レコード地獄組は・・。」と
お褒めの言葉も頂戴いたしました。お涙頂戴。

あの顔を見ることが三度のメシよりも好物なわけであります。
あの快感は何よりも変えがたい瞬間でございます。
私の前で良い曲をかけるからこうなるのです。

レコード地獄組一員といわれる由縁であります。

このLP。「SISTER JANE」という曲が白眉であるのですが
オープニングから切ないメロディ連発のピアノジャズで、
しかもドラムが打っているというフロア受けバッチリな曲となっております。
日本人なら好きなジャズなんじゃないでしょうか。

しばらくは先頃あげましたA TRAIN/BABY PLEASEと並んで、
かけ続けていこうと思っています。
DUG OUT CLASSICという形までもっていけたらいいな~って感じでごわす。

Monday, September 24

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.4



todd


(注)女性は気分を害することがあるやもしれません。あしからず。

記念すべき一枚目のレコードをどれにするか相当に迷ったわけでありますが、
心のベストテン第一位のアルバムを紹介するのが自然の流れ、
世の常であります。

TODD RUNDGLEN/RUNT

このアルバムの中に入っております涙の大名曲
「WE GOT TO GET YOU A WOMAN」
この曲、世界で一番、私が聞いていると自負している曲であります。

この曲、18歳の時に働いていたレコード屋で知った曲なのですが、
大変に気に入りまして、
その時に開店11時から閉店20時までエンドレスで流し続けたほどなのですが、
それにも飽き足らず休日には昇る太陽、沈む太陽を眺めながら、
涙を流しかけ続けたものでございます。

店内の客は狂気にも似た感覚を覚えたでしょうし、
同居していた漫画家志望の友人におきましては
対処法として爆音でヘッドフォンを装着しておりました。
不意に同居人の部屋に足を踏み入れることもあったのですが、
彼は爆音でヘッドフォンを装着しているため
私が部屋に近づいているのに気付くことが困難でありました。
そのため、彼が部屋で破廉恥な映像を見て、
思い思いな行為をしている場面に直面することもあったわけであります。
無防備であります。
そんな衝撃的場面を目撃するも、
私の飽くなき探求心が何度も彼の部屋に向かい、
その都度、彼は私の欲望を満たすべく、
惜しみないパフォーマンスで期待に応えてくれたのです。

クリネックスティッシュを傍らに。

私にとって彼はいつもベストでありました。
親しき仲にも礼儀あり。
それを犯したのは私なのか?彼なのか?
この曲を聞くたびに思い出す、彼の生まれたての姿。

その姿はある部分では勇ましく、
一方、彼の情けない一面も垣間見ることが出来ました。

そんな彼ともいつからか連絡は途絶え、
今ではこの曲を聞かずしては思い出すこともなくなりました。

彼は一体、どこで何をしているのか?
今でもヘッドフォンを装着し、物思いにふけるのだろうか?
そのときには私のことを思い出してくれているのか?

私にとって、どんなレコードよりも最重要WANTであります。

Saturday, September 22

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.3



a train






















金曜のDUG OUTに来て頂いた方々、
ありがとうございました。

とにかく身動きとれないほどの大盛り上がり大会でありました。
酸素薄い。笑

急遽、レコード地獄組の御三方も来てくれましたし。
嬉しかったっす。

せっかく来て頂いたのに、
お話が出来なかった方々も多数いたと思うので反省。

自分は12時ごろからDJしたんですが、
DISCOな感じでバッチリと言いたいところですが、
ミキサーに今だに慣れない自分でありまして、困りました。笑 

明け方の5時までフロアもテンションMAXで
最後はみんなでBACK TO BACK。
こんときに、
私は涙の大名曲のA TRAINをかましたわけですが、
何と大合唱。
世界を探してもA TRAINで
フロアが最高潮に達するパーティーはないだろうと思います。
奇跡だった。

当然AIRギターも炸裂させて頂きました。
往年のODYSSEY/BATTENED SHIPSにも似た盛り上がり。
DUG OUTから
もしかしたら何かが起きる可能性ってのを
今回感じました。
素晴らしいです。
誰もDJで媚びて無かったし。
パーティーとして
何か突き抜けた感覚を掴むことが出来ました。
感謝。

Friday, September 21

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.2



終わりの無いレコードの戦い。
レコード争奪の螺旋に足を踏み入れたのは17歳。
以後、レコードを買い続け早11年が経ったわけであります。

レコードを買い始めた頃は純粋でありましたので、
単純に良い音楽を掘り下げる為にレコードを買っていたと思うのですが、
最近、気付いた点が出てまいりました。

私、基本的に「音楽好き」ではないのです。
レコードが好きなのです。

なのでCDは買いません。ダウンロードもしません。
MP3プレイヤーも使いません。
ダビングもしません。部屋で基本音楽はかけません。

大好きなレコードにおきましても再発は買いません。
コンピも買いません。
最近に至っては新譜も買いません。
購入しているのは中古盤のみという有様であります。

中古盤におきましても自分が欲しいという欲求よりも、
皆様が欲しがっているレコードを先に見つけて
満足したいだけであります。
手にした瞬間、売りたい衝動にかられるのです。

屈折しております。人ではなくなっています。
レコードの値段において
やれ相場より一万円安く買ったなどの話は興味がありません。

私にとって壱万円の差など誤差であります。
(金持ちではありません。気にしないということであります。)

昔にいらないと判断して売ってしまったり、
あげてしまったレコードを買い直すことも度々あります。

そんな人間ですので7〜8年前に買った
FUNK45のレコード(当時2000円で購入)を調子に乗ってプレゼントしたら、
ブームに乗ってかいざ知らず、
今や5ケタにもなっていたのに先日気付き、
どうやって取り戻そうか試行錯誤中であります。

クリスマスには彼女より高価なレコードを自分にプレゼントします。
友人と一緒にレコードを買いにいって争奪してしまい、
力ずくで奪い、友人を無くしたこともあります。

若い頃は過ちを犯すものです。

そんな日常を当たり前のように生活していたおかげで、
今はスッカリ落ち着き、ブームにも乗らず、
好きなレコードを買うことが出来るようになりました。

あの頃は「レコード暴走族」だったのです。
今は「レコード地獄組」に席を入れております。

若い頃の経験が功をそうしてか、
人のレコードを羨むことも無くなりましたし、
放出に並ぶことも無くなりました。
時間と金と労力さえ惜しまなければ
大抵のレコードを購入出来ることを知ったのです。

ですが、良い曲を他の誰かがかけていればチェックして、
とりあえず買ってしまう癖だけは抜けません。

欲しくなくても買ってしまう癖。
「とりあえず買っておこう。」という義務にも似た感覚。
私は足を洗ったはずの「レコード覚醒剤」の呪縛から
今だに逃れることが出来ていないようです。

ここは天国か?はたまた地獄なのか?
太平洋は青く美しいのだろうか?

I HOPE。私の希望だ。
誰か助けてください。

Thursday, September 20

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.1



ますた−1













レコード地獄組presents
「マスターのレコード波瀾万丈日記」

プロローグ

突如、始まりましたこのコーナー。
私、三上さとしa.k.aマスターが所有しているレコードの中から、
毎回一枚を取り上げ、
そのレコードを購入した際の面白エピソード、
仰天エピソード、購入金額、
全て曝け出してしまおうという
ノンフィクションのコーナーであります。
笑いあり涙ありの文字数無制限
一本勝負の一話完結型大型連載。

レコードの数だけドラマがある。

飛んだ諭吉にだけドラマがある。

これはレア盤自慢のコーナーではありませんし、
発掘レコードを発表するものではありません。
ガイド本に載っているようなレコードが
主なネタになることとなります。
(人気盤ほどネタがあるものなのです。)
ときには、マスター秘蔵ネタも
ご紹介することもあろうかと思われます。
(大したものはありません。)

私などの若輩者の話など大した話ではありませんが、
どうか暖かく見守ってやってください。

本題のレコード波瀾万丈日記を書くにあたり、
私、マスターが
どのような人物であるかを
把握して頂かなくてはならないと思いますので、
(誤解を招きかねないですから。)
次回は自己紹介を兼ねて、
私、マスターのレコードへの情熱など、
大雑把に書き表わしてみようと思います。
お楽しみに。