Friday, September 28

マスターのレコード波瀾万丈日記 vol.8



もういくつ寝ると夏が始まるわけであります。

夏といえば野外フェスであります。
先日のDUG OUTでも、
フジロックの話などが話題にあがったりしたわけであります。

と、言いましても価値観の問題になりますが、
DJなどをやっていますと、
レコード一枚に5万が払えましても
真夏の数日の為にウン万円のチケットを払うのは、
どうしても気が引けてしまうわけでありまして、
今年も私は行くことはないわけであります。

そんな私も、過去に二回程、フジロックに参加した経験がございます。
伝説の一回目と苗場で初となった三回目であります。

一回目は天神山スキー場で台風直撃。
よく死者が出なかったと思えたほどであります。
だがね、これがフェスよ。死○出てナンボよ。
台風の影響というよりは、
THE YELLOW MONKYSの場違い感に凍死だよ。

それはいい。

なんかの伝記で読んでくれ。
フジロック十年史みたいのをよ。

違うんだよ。
オレが言いたいのは三回目なんだよ。

オレは当時、金もねー、
女もいねー、暇さえあれば江ノ島にサマーベッド持って、
特注オイル塗りたくって、
江ノ島一のガングロ目指した20歳。

オレが孫悟空なら元気玉ブッ発なして
本州沈めようと思ってたあの頃。
それほどの器量を持って望んだフジロックIN苗場。

ピースなんだよ。
みんなが楽しんでんだよ。
外見ヤバメの兄ちゃんもピースなんだよ。
透き通るような空の青の下でさ、
音楽という共通項の中で一つになってんだよ。

あきれたよ。
愛想が尽きたよ、フジロック。

フェスってのはさぁ、戦争なんだよ。
もっと殺伐としてなきゃいけないんだよ。
殺るか、殺られるかのサバイバルじゃなきゃいけないんだよ。

それがどうだい、この有様は。
隣にいる女もやけに可愛いし、
フレンドリーじゃねーか。

「どこから来たんですか?」

なんて、江ノ島なら逆ナンですよ、ホント。
オラ、孫悟空だから性別わからないんで
パンパンってしちゃうぞー、
てな感じですよ。

だけどさ、オレは見ず知らずの輩に
個人情報垂れ流しするほど野暮じゃないんだよ。
母国も信じられない、このご時世でさ。
住んでる場所なんて間違っても教えられないよ。
そんなことしたら毎日ビクビクで
背後が気になって夜道を一人で歩けないよ。

そんななので、
フジロックで出会って結婚しましたなんていうのも
実際ある勢いですよ。

挙げ句の果てには、ゴミ一つ落ちてない。
天神山の時はゴミ山脈になってたのによ。
喫煙者なんか携帯灰皿を首から下げて、
ショコタンばりに「大人のマナー」ですよ。
オイオイ。タバコはポイ捨てだろ。ポイ捨てに限る。

で、なんか、また、お洒落に見えてくるのよ、
そういうの。あるじゃない、
そういう期間内だけに機能するお洒落って。
10周年だから「10」のTシャツみたいなさ。

なぜ、こんな話か?
いや、たまたま、このレコード。

「KWARTET FRITS KAATEE/WILL YOU STILL BE MINE」

が、今年のフジロックの
三日間通し券と同じ値段くらいだったなぁ、
と思っただけなのです。
売ればいけるな、フジロック。

だがよ。レコードに金を払えても、
思い出に金は払えない性分なんだよ。
形のあるものじゃなきゃ不安なんだよ。

愛ってお金で買えますか?
待て次回。

No comments: